2023.01.06

中川町が目指す「森林文化の再生」& 木材の魅力を引き出す 高橋綾子さんの木工作品|【北海道に魅せられた人たち】

  • SHARE
  • Facebookでシェアする
  • XでPostする
  • LINEで送る

中川町が目指す「森林文化の再生」& 木材の魅力を引き出す 高橋綾子さんの木工作品|【北海道に魅せられた人たち】

こんにちは。【北海道に魅せられた人たち】担当です。

 

さて早速ですが、我が家のサラダボウルをご覧ください。

 

画像

 

ナチュラルな木の器は、ひんやりと感じがちな生野菜に、いい感じに温かみをプラスしてくれて、今時期の食卓におすすめなのです!

そして、比較的軽くて割れを気にせず使えるのが、毎日使うにはいいところ。

 

中川町で器を作る高橋綾子さんの器は、木の種類(それによってだいぶ色が変わる。)や大きさがいろいろで、選ぶのも楽しいひとときです。

愛用のサラダボウルも、「どの子がいいかな〜。」とたくさん楽しく悩んだ覚えがあります。

 

というのも、高橋綾子さんは、節が入るなど個性のある木材を使っているので、それぞれが魅力を持っていて、選ぶのに迷ってしまうんです。

 

では、なぜそんな木材を使っているのか?!

器にした時の面白み、だけではないのです。

 

まずは、中川町の街をあげての取り組みからお話しします!

 

 

「森のまち」中川町

 

画像
北海道の北の方。札幌からは車で4時間ほど走らせると、中川町につきます。

町内面積の約8割が森林で覆われ、家具産地として有名な旭川家具の原料調達地としても知られる林業の町です。

町の中を走っていると、丸太がどんどんと積まれている場所があり、林業が盛んであることがよくわかります。

 

中川町が目指す「森林文化の再生」

 

画像

 ※2012年に作られた森林文化再生のイメージ図。ここに書かれたことを一つ一つ実現させていっているんだそう。

 

中川町では、町民でさえ気づいていない眠れる森の中の資源、つまり未利用資源を世に送り出すことに力を注いでいます。

そこで、建築や家具づくりには使われない木材や樹皮、樹木の花、自然と抜け落ちたエゾシカの角など、これまであまり注目されてこなかった素材を使ったものづくり振興を行っています。

 

 

「山にはもう木がない」と嘆かれる一方で

森にはたくさんの未利用材が朽ちている矛盾を見て……

 

画像

そんな中川町で器やアクセサリーを制作する高橋綾子さんが使うのは、山の中にある、様々な理由で伐られたのに使われず、朽ちていくだけだった木。

根張り、腐れ、枝節など欠点を抱え、家具材・建築材としては使われない木材です。

 

「人工乾燥後の端材であれば、引き取り手がいるが、乾燥前の生の状態で引き受けてくれる作家さんは、なかなかいなかった。」と中川町役場の方が振り返るように、この素材を使うのには手間がかかるそう。

 

画像

 

まずは、たっぷりと水分を含んだ木を、完成形に近い形に荒く削り、ゆっくりと時間をかけて乾燥させます。

エネルギーを使い、木にもストレスをかける人工乾燥はさせず、状態を見ながら、場所を変え、方向を変え……と天然乾燥させるのが、高橋さんのこだわりです。

 

 

「この木にとっての最良なものは……?」の視点の難しさ

 

通常のものづくりは「自分の作りたいものに合わせた素材を探す」という考え方が一般的です。

一方、高橋さんは「目の前の素材に合ったものをつくる」という逆発想。

 

画像


お客様のご要望を捉えたモノを取り揃えることが、売れる最短ルートですから、ものづくりをするのであれば、ご要望に沿った商品を作ることが一番の販売につなげる近道だと思うのです。

それを、「この木にとっての最良なものは……?」という視点で作成するのですから、「売れるものづくり」とは少し違います。

 

木材の魅力を一番に引き出した作品ではあるけれど、売れるかはわからない。


そんな大変だけど、木材たちにとっては幸せなものづくりを続けられている高橋さん、かっこいいです。

 

 

高橋さんの作品の中から

是非この実物を見て欲しい!

 

少しクセのある木材の特徴を、上手に活かした高橋さんの作品たち。

飾り鉢のような大きな作品を選べば、木目の美しさがより堪能できます。

 

画像

 

黄葉の美しいイタヤカエデは、年輪が薄く、表面もなめらかで加工すると端正で美しい木材。

そんな整った木地にピリリと入る濃茶のアクセントが、天然の芸術となっています。

飾るだけでも満足なアイテムですが、果物やお野菜を卓上で保存しておけば、適度に湿度を調整してくれる実用性も備えています。

 

是非、店頭で実物をご覧いただきたいです!


 

\北海道に魅せられた人/

画像

高橋綾子さん

仙台市出身。宮城県と東京都で木工を学び中川町へ移住。北海道の好きなところは「凍てつく冬の晴れた日の美しさ」。ここでは紹介しきれなかった曲線が美しいブローチやウッドバーニングを使った柄の入った作品も素敵です!

 

 

「北海道に魅せられた人たち」

会期:1月25日(水)→1月31日(火)

場所:松坂屋上野店 本館1階北口イベントスペース

 

 

独自の歴史・自然・風土をもつ「北海道」。

そんな北海道に魅せられた、ものづくりの人々の作品をご紹介するイベント「北海道に魅せられた人たち」の開催まで、作り手の方々を紹介しながらカウントダウンしていく連載ブログです。

 

ブログの更新はこちらでのストーリーでお知らせします

Instagram @think_local_dm_official

 

 

出店作家や商品の詳細はこちらから>>

 

 

ショップ情報

ショップ名

イベントインフォメーション

フロア
カテゴリー
その他

RECOMMEND BLOG